機械の大型化や古くなり不用になった農機具の現状

昭和30年代から日本農業の機械化に向けた取り組みを手助けしてきた農機具は、急速に普及した一方で近年は不要になる農機具も増加している。

不用になる農機具の現状は、農業経営の規模拡大による大型農機具の買い替え・更新によって不要になった。

年式が古く耐用年数も過ぎて、修理部品の調達もできないでやむを得ず不用になった。高齢化で後継ぎがいない、農業経営主が病気になって農業をやめざるを得ないなの理由でまだ十分使える農機具なのに不用になった。など不用になる農機具の状況は様々である。

このようなことから農林水産省は1979年に、中古農機の有効活用と農機具への過剰投資を抑えるため中古機械促進事業法を定め、中古農機の市場形成を促進するための常設展示場または移動展示場に対し、設置費用の一部を補助する等の対策を行った。

その結果、全国に多くの中古農機常設展示場・移動展示場が開設され、一定の需要をみている。

一方、不用になった農機具の処分方法も様々である。規模拡大のため大型の農機具に更新する場合は、今使っている農機具は農機具販売店に下取りで引き取ってもらうのが主流となっている。部品調達ができず修理ができない、いわゆる壊れた農機具は廃品業者に引き取ってもらう処分方法が多い状況である。

高齢化などで農業をやめざるを得ないなどの理由で不用になった農業機械の処分方法は、この場合まだ十分使える農機具が不用となるケースが多いため農機具買取業者に買い取ってもらう処分方法がある。

なお、近年は農機具の買取業者も増えて処分の方法としては、農機具買取が主流になりつつある。また、農機具の高額買取も可能のため、農機具買取業者に査定の依頼をする農家も多い。

ただ、処分の方法がわからず農舎に放置してあったり、圃場に放置してあったりするケースも少なくない。不用になった農機具はいずれかの処分方法で適正な処分が必要である。また、活用できる部品なども有効活用してもらいたい。

なお、処分を依頼する方とすれば、最低でも無料で処分をしたい、まだ使用できる農機具はいくらかお金で買い取ってもらいたいと思うのが普通である。そんな農機具専門買取の業者が全国を対象に査定を行っているので利用するのも検討すべきである。

農作業の種類による農機具の分類

農作業の種類による農機具の分類

農業機械の部分を大きく分けると、原動機部分(エンジン部分)・伝導機(エンジン部分から回転力を取り出すところ)・作業機(耕転機など実際に土を耕したり、堆肥の散布などを行う機械)になる。

なお、トラクターのように原動機分と作業機が一体となっているものは、原動作業機とも呼ばれる。

主な作業の種類と機械の名称(ウィキペディア:農業機械を参照)

作業の種類 機械の名称
汎用的な農業機械 トラクター
耕転・整地に用いる農業機械 プラウ(すき)、ハロー(代掻き用の耕転機)、均平機、うね立機、溝切機など
施肥に用いる農業機械 マニュアスプッレッダー(堆肥散布機)、ライムソーワ―(石灰散布機)、プランタ(点播き機)など
播種・移植に用いる農業機械 田植機、野菜移植機、トランスプランタ(移植機)、散播き機など
防除・管理に用いる農業機械 噴霧器、動力噴霧器、ミスト機、散粉機、土壌消毒機、刈払い機、管理機、スピードスプレイヤー、動力ポンプ、スプリンクラーなど
収穫に用いる農業機械 バインダー、コンバイン、モアー、ヘイベーラー、ロールべーらー、脱穀機など
収穫物の乾燥と調整に用いる農業機械 乾燥機、籾摺り機、選別機、精米機、ディスクモア―、モアーコンディショナー、テッダー、レーキなど

作物に関連する、耕起から収穫、収穫後の調整に用いる主な農業機械である。なお、ここに紹介している以外にも多くあるので、ウィキペディア:農業機械を参照されたし。